2020年1月南極旅行 (クルーズ編-往路)

任意のページに飛ぶ #1 南極旅行  #2 往路編ー1  #3 往路編-2  #4 クルーズ編-往路  #5 南極編-1  #6 南極編-2  #7 南極編-3  #8 南極編-4  #9 南極編-5  #10 クルーズ編-復路  #11 復路編-1  #12 復路編-2  #13 復路編-3  #14 復路編-4

2020年1月28日(火)(5日目)

いよいよクルーズに出発する時刻となりました。
午後3時30分から手続きが始まるということで、午後3時10分にホテルまでタクシーを呼びます。桟橋まではわずか10分で到着です。タクシーの運転手に桟橋入り口のパスポートコントロールで手続きをするように促されてタクシーを降ります。パスポートコントロールの前の歩道は人が溢れかえって誰も交通整理をしている様子もありません。そんなところに馬鹿でかいスーツケースを転がして向かっていくと、同じように馬鹿でかいバッグを担ぐ一団が入っていき、M/V Ushuaiaなら一緒に来ると良いよと声をかけてくれます。沢山の人が待っている中を割込みするような気がしたのですが、この一団から離れたら迷子になるような気がしてついて行きました。とは言っても中はとても狭い待合室で、何とか人の流れを妨げないように立ち止まるのがせいぜいです。
すると、近海をめぐるツアーの呼び出しが始まったのか、チケットを持っている大量の人たちが通り過ぎて行きます。待合室の中にいた人たちの殆どが出ていくと、大きなスーツケースを抱えた南極クルージング待ちの私たちが待合室に押し込められていきます。
そしていよいよ南極クルーズの乗客が呼ばれて、全ての荷物をX線の機械に通すように指示されます。大きな荷物を次から次へと通しますが、検査済みのシールもない状態で持ち運ぶように指示されます。パスポートコントロールを出ると、ぞろぞろと荷物を引っ張って次の建物に向かい、5分ほど経つと何もすることなく建物の反対側の出口から出ていくことになりました。
桟橋の約300mほど先には私たちが乗船するM/V Ushuaiaが停泊しています。船のタラップで名前を聞かれて部屋番号を確認します。スーツケースには白いチョークで大きく部屋番号が書かれて、タラップを大荷物を持って上がる必要はないと言われます。私の場合は、パスポートや財布、カメラなどが入った鞄一つを持ってタラップを上がっていきました。

 

M/V Ushuaia乗船

乗船するとロビーに導かれてチェックインの手続きをします。旅行社から発行されたバウチャーを印刷した紙とパスポートを渡して人物確認をしたら、簡単なパンフレットを1枚もらって手続きはおしまいです。
普通のホテルだったら部屋番号が分かれば部屋に行くのはそれほど難しくありませんが、船の中は入り組んでいるうえに階段の位置が分からないと簡単に辿り着くことはできません。そこで船のサポートしてくれる人が部屋番号ごとに連れて行ってくれます。私の部屋は2人部屋なのですが、相方が分からないので一人だけ連れて行ってもらいました。部屋に着くとまだ相方は来ていません。シングルベットが二つ並んでいるのですが先着の権利として奥のベットを確保することにしてバッグをベッドの上に置きました。1-2分ほど遅れて相方がやってきました。年齢は私とあまり違わなそうな英国人です。彼は寝るときの体勢がどうだとかいびきをかくとか言って奥のベッドを欲しがりましたが、「いびきは特に問題ないし、私は天井から洗濯物をつるしたいから奥の方が良いと思うよ」とか言って譲りませんでした。鞄の中身をある程度整理したところで一旦ロビーに行ってコーヒーをいただいて戻ってきてみるとスーツケースが届いていました。大きな荷物の置き場所やロッカーの中の配置などは相方が決めたことに従いました。



ところで部屋のグレードですが支払った料金のものよりも良い部屋が指定されています。部屋のグレードは下から3人部屋、2段ベッドの2人部屋、シングルベッド2つの2人部屋となっています。私の選んだのは下から2番目、2段ベッドの2人部屋だったのですが、その1個上のグレードに案内されました。きっと誰かがキャンセルでもして色々な条件を満たした私が移動となったのでしょう。ラッキーでした。2段ベッドの2人部屋は2部屋でバスルームを共用するような作りになっているので、ちょっと嫌だなと思っていたのは正直な話です。

 

出航

午後5時30分”Welcome Reception!"でスタッフの紹介です。アクティビティーリーダーは経験豊かなアルゼンチン人の男性です。見るからに頼りになりそうな体格をしています。その他に動植物の専門家と医者、ホテルスタッフが紹介されました。一通りの紹介が終わるとシャンパンで乾杯です。普段お酒はいただきませんが、今回はいただきました。気持ち普段よりもおいしく感じます。すぐ脇で乾杯しているのは同室の相方Kさんです。

 

一段落した頃にM/V Ushuaiaが桟橋を離れていきます。特に見送りとか汽笛とかありませんでした。最初はごくゆっくりと進みますが、港を離れると少しスピードを上げます。とは言っても巡航速度は12ノットらしいのでゆっくりという感じのままです。左下の写真はMV National Geographic Explorerで乗客148名、6471トンと乗客数はほぼ倍、大きさは2倍以上というものです。右下の写真はウシュアイア近海の観光船です。

 

チリとアルゼンチンに挟まれたビーグル水道のアルゼンチン側をドレーク海峡に向けて進みます。ビーグル水道にいる間は全く揺れを感じないといったほどスムーズです。





午後6時30分過ぎからセーフティドリルとして救命胴衣の装着と点呼訓練、救命ボートまでの移動がレクチャーされます。救命胴衣は簡単の様に見えてもうまく付けられない人もいます。そんな人たちを助けながら装着完了です。約50名が乗り込むことになる救命ボートまでのルートと乗り込み方を習得します。救命ボートは全員乗り込んできちんとドアを閉めれば完全に密閉されるし、モータで回るスクリューもついているので、遭難しても何とかなるように思わされました。

 

午後8時過ぎから夕食になります。全員が食堂に集まり食事が提供されます。日本人や日本語を話せる人が見つけられなかったので、ほぼ全員がアメリカ人の食卓につきました。簡単な自己紹介をしたのですが、人の話はさっぱり理解できなくて話に入っていけません。今更ながら英語力の不足に反省させられます。たっぷりと時間をかけて夕食を終えると特にすることもないので自室に戻り、本を読みながら時間をつぶします。しばらくすると相方も戻ってきたので午後11時30分頃就寝です。

 




1月29日(水)(6日目)

時差ぼけの呪いはまだ続いていて、いつものように午前3時45分に起きたあと本を読みながら眠気が来るのを待つなどしてやっと5時に二度寝することができました。

ドレーク海峡

7時には起きたのですが、食事前にロビーに行ってみると今日のスケジュールが張り出されていました。2つのレクチャーとバードウォッチングの時間があるようです。
朝早くから何人か集まって話をしていました。今までの旅の話なんかをしているのでしょうか。

 

ドレーク海峡に入って昨晩までとは打って変わってローリングし始めます。昨日出航する前に24時間効く酔い止め薬を飲んでいたので大丈夫かと思っていたのですが、食事の始まる午前8時になるとどうも胃の中が落ち着きません。直前に飲んだ紅茶がこみ上げてきます。何とかもどすことは避けることができましたが、食欲は沸いてきません。スクランブルエッグ、クロワッサン、ヨーグルトをお腹に収めて朝食としました。

 

その後も突発的に揺れが大きくなる時があって、船内で転倒事故が見ているだけでも2回はありました。そのうちの一人は顎のところをぶつけて、出血していました。どのくらい傾いているのかはっきり分かりませんが、感じとしては最大30度にも達しているのではないでしょうか。
昼食前に2日目の酔い止めを飲んだのが効いたのか、気持ち悪くなるようなこともなくなり、昼食も夕食も普通に食べることができました。

船の揺れの撮影

午後になると体も大分慣れてきたので余裕が出てきて、揺れの写真や動画を撮ろうと船の一番高いデッキまで来てみました。待っているとそれほどひどい揺れにならないのは、どんなものでしょうかね。それでも結構揺れているなと思えるくらいの揺れを捉えることが出来たので、揺れの撮影は終了です。

 

私の撮った動画はうまく写っていなかったのですが、香港のQさんが揺れている船の動画を提供してくれました。午前中と午後の動画をくっつけたのですが、揺れ方自体はあまり変わらないです。この動画から推測すると最大でも30度はいっていないです。


香港のQさん(twitter:@kailyu)提供

鳥の撮影(その1)

あまり着こんでいなかったので、寒くなって帰ろうかと思ったのですが鳥が船にまとわりつくように飛んでいるので、鳥の写真を撮ることにしました。飛んでいる鳥を撮影したことなくて、どうやって捉えるか分かりません。シングルショットで20枚ほど撮影してみたでしょうか。余りうまく取れているという自信がありません。撮影が終わって室内で写真の状況確認してみましたが、倍率が足りない、画面からはみ出している、陰になっているなど色々です。
自宅に帰ってからトリミングをしたり色やコントラストの調整をしたら少しは見られるようになったので掲載します。

  

相方は一眼レフカメラ持参でとても素晴らしい鳥の写真を見せてくれたのですが、良い写真を撮るための一つとして連射機能を使うことを教えてくれました。ファインダーを覗いて撮るのが一番だよと話してくれましたが、私のコンデジにはファインダーがついていないので、明日は連射機能を使って撮影したいと思います。

日本語の会話

ほぼ1日経って日本語を話せそうな人がいないと思っていましたが、たまたま話をした香港から来たQさんが流暢に日本語を話すことが分かりました。日本のアニメから日本語に興味を持って大学に入ってからはラノベ(キノの旅)を読んで勉強し始めたそうです。日本にも何度も来て温泉を巡ったりもしているそうです。彼から他に日本人の女性がいることも聞きました。明日にでも探してみようかな。

食事

昼食と夕食のメインディッシュです。肉と野菜に炭水化物、食事の基本に忠実です。エントリーにパンとスープが出るので足りなかったらパンのお代わりをします。デザートとして小さなケーキやフルーツがつきます。量が少ないなと思いましたが、船の中でほとんど運動もしないのでカロリー的にはこれで十分です。

 

夜になって船内放送があったのですが、さらに揺れが増す見込みで夜中にふらふらせずにベッドに横になっているか、どうしても動くときには両手でしっかりバーを掴むように注意がありました。




1月30日(木)(7日目)

相変わらず時差ぼけの呪いが続いていて、午前3時30分に起きるのが日課になってしまいました。
船は相変わらず大きく揺れています。少しでも揺れを減らすためなのか、朝のアナウンスでは速力を7ノットに落として航海しているとのことでした。
流石に3日目ともなれば船酔いも収まって朝食も普通に食べることができます。昨日の香港人に日本の女性を紹介してもらって久しぶりに日本人と会話することができました。彼女はオーストラリアの男性と結婚してサウスウェールズに25年も住んでいるそうです。やっと子供たちの手間がかからなくなって夫婦で旅行できるようになったとのこと、一緒に旅行してくれる人がいてちょっと羨ましかったです。

 

昼食にはビーフステーキとホイップクリームが乗ったケーキが出ました。

 

夕食はパスタとチョコレート包みのケーキが出ました。

 

鳥の撮影(その2)

連射機能を使ってうまく撮れるかと思って試してみましたが、あまり鳥が近づいて来ないために良い写真は撮れませんでした。今日は一日中曇り空で陰の部分が大きいのもマイナス要素になりました。明日以降に期待です。

 

南極での行動についてとゾディアックに乗る講習

南極は南極条約によってできるだけ現状を維持することに努める必要があります。ごみを残してきたり何か持ち帰ってくることは厳禁です。もちろん生態系を破壊する行為も行わないように気を付けなければなりません。上陸する前にブーツを洗って植物の種子が持ち込まれないようにしたり、動物に近づきすぎて警戒されたり攻撃されたりすることがないように気を付ける必要もあります。
その後ゾディアックに乗る講習が行われました。桟橋がない南極の陸地に上がるためにはゾディアックと呼ばれるゴムボートに乗って、船から陸地まで移動する必要があります。きちんと手順を踏んで乗り込まないと海に落ちたりする可能性があるので、皆真面目に受講しています。救命ジャケットは一つ一つに番号が振られていて、各個人を特定できるように番号で管理されています。
最後に明日の予定が告知されました。最初の上陸はサウスシェトランド諸島ではなくにいきなり南極半島にあるアルゼンチンが建設したエスペランサ基地です。最初の一歩が南極大陸というのはなかなかうれしい誤算です。3班に分かれて順次上陸するということなので、第1班を希望しました。基地にはストアもあるということなので、何か土産を買うことができるかもしれません。郵便局があれば絵葉書を出すことができるかもしれません。ウシュアイアで準備した絵葉書に宛先と本文を書いて投函できるように準備しました。
ゾディアックに乗るときに使用するゴム長靴の確認も済ませたので、明日の上陸は万全の状態です。

 

氷山と島影

夕方になると小さな氷山が浮いているのを発見しました。余り近くには寄りませんでしたが、遠くからでもはっきり氷山であることが分かります。私は見ていませんがクジラを見た人もいました。



夕食の後にはサウスシェトランド諸島にかなり近づいてきたので島影も見ることができました。南極に近くなっていることをはっきり自覚しました。
島影の写真を撮ろうとデッキに出ると、夕食のときに話をした中国人の男性が数分前まで携帯の電波が入ってきたので思わず家族に電話をしたそうです。彼が言うには近くに中国基地にある携帯基地局の電波を拾ったのだろうということでした。南極まで来て携帯電話が通じるってすごいです。



シャツや下着なんかを洗濯したので干してみました。マグネットも並行干し紐もうまく機能しています。1日では完全に乾きませんが2日くらいで乾くので着替えには支障ありませんでした。




次のページに続く   

任意のページに飛ぶ #1 南極旅行  #2 往路編ー1  #3 往路編-2  #4 クルーズ編-往路  #5 南極編-1  #6 南極編-2  #7 南極編-3  #8 南極編-4  #9 南極編-5  #10 クルーズ編-復路  #11 復路編-1  #12 復路編-2  #13 復路編-3  #14 復路編-4

旅行のページのトップに戻る  トップに戻る