2025年7月モンゴル旅行 (ウランバートル編-2)
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2025年7月11日(金)(6日目)
昨日が結構ハードだったので、今日は朝食を済ませて少し遅めにして朝10時に出発です。今日も朝から良い天気です。
今日は基本的に徒歩の移動で寺院と博物館を見て回るとOさんから提案がありそれに従うことにしました。最初の訪問先は、ホテルから程近くにあるガンダン・テクツェンリン寺です。立派な門をくぐって参道をしばらく行くと本堂が見えてきます。モンゴル最大規模の仏教寺院だそうです。約200年前に建立された左側の本堂には高さ25mの観音菩薩像が納められていますが、撮影禁止だったため写真はありません。
次に向かったのはすぐ隣のこじんまりとしたヴァジュラダラ寺院です。チベット仏教の寺院らしく色彩豊かなのが印象的でした。日本に戻ってから調べてみるとヴァジュラダラ(Vajradhara)は持金剛仏(じこんごうぶつ)のことでした。近くには石畳の道路が残されていました。
次に訪れたのは国立自然史博物館です。ここには、博物館付きの人にはたまらないある物がいます。
博物館らしくトナカイの標本が掲げられている横から受付を過ぎると最初に目につくのはDINOSAUR(恐竜)の歯です。長さは10cmはあるでしょうか。そのちかくには1mほどのオルニトミモサウルス(ダチョウ恐竜)の化石などが陳列されています。
オルニトミモサウルス
そして、それらを見下ろすようにいるのがタルボサウルスの完全な全身骨格標本です。高さは3m、全長は10m近いのではないでしょうか。こんな恐竜が7000万年前の地上に住んでいて、のしのしと歩いていることを想像すると恐怖で一杯です。でも、こうして骨格標本となった姿を見られることは奇跡としか言いようがありません。
こんなに大きな化石が完全な姿で発見されたのは奇跡です
下あごの大きさが異様です。この大きな口を思いっきり開いて敵に噛り付くところを想像するとぞっとします
この長い尻尾も武器として強力な威力を発揮したことでしょう
もう一体完全な全身骨格標本がありました。サウロロフスと呼ばれるとさかのついているカモノハシ竜です。タルボサウルス寄りは一回り小さいですが、高さは2m近くあり、長さは優に5mを超えています。なかなか見ごたえがあります。また、復元模型も展示されていました。こちらも地味に迫力があります。
博物館なので、鉱物の展示もありました。昔よく使った水晶や、現在設計している製品に必ずと言ってよいほど使われているベリリウムの写真を撮ってきました。
そして、モンゴルに生息している多くの野生動物のはく製が数多く展示されていました。ちょっと多すぎてとりとめがないようにも見えます。
そのためかどうか分かりませんが、現在新しい博物館を建設中という話を聞きました。開館するまでにあと何年かかかるようですが、新しい博物館ができたらまた訪問してじっくり見たいと思いました。
自然史博物館を堪能して出てくるとちょうどランチ時でした。すぐ近くのレストランに入ります。ナーダム祭期間なのでホーショルのセットメニューがありました。ホーショル5枚にサラダの付け合わせです。オーダーしてしばらく経つと料理が運ばれてきました。なんだかサンプルの写真と違っています。ホーショルは皿よりも大きく、厚さは2倍ほどあります。もう見ただけでギブアップです。何とか2枚は食べきって終わりにしようとしましたが、Qさんはせめて半分は食べないとシェフに失礼という意見に従って、もう1枚食べることにしました。食べ終えるまで時間がかかりましたが何とか追加で1枚食べました。Oさんは全部食べ切って完食していました。さすがモンゴル人は大食漢です。
積み重ねた高さが圧倒的です 皿を飛び出すほどの大きさで、見本写真と明らかに違います
よく見るとテーブルの上の皿に私の食べ残しが見えます Oさんのお気に入りのレストランになったそうです
お腹も一杯になったところで次の目的地に行きます。と言ってもレストランを出て通りを渡ったところにあるチンギス・ハーン博物館です。入館料金と特別展示見学料金そして写真撮影料金の3本立て料金で、今回は写真撮影を含まない料金を支払って入館しました。
正面から見た建物の大きさはたいしたことないように感じでしたが、中に入ってみると想像以上に大きい建物でした。展示室は3階から9階まであり遊牧民族の最初の国家であるフン族から始まり、モンゴル帝国が繁栄したり衰退しながら国の大きさを変えていく歴史を見せてくれました。チンギス・ハーンのような統率力の強い指導者が元首となるとモンゴル帝国は近隣の諸侯を取り込んでさらなる領土の拡大を行いました。しかし、統率力の優れた王が不在となると後継者争いがおこり、帝国が崩壊して領土も減少していくという歴史を繰り返していったようです。基本農耕を行わない遊牧民族の特性が表れていることを強く感じました。残念ながら展示品の説明文はモンゴル語でした。
特別展示室には黄金のチンギス・ハーン像が展示されていました。ここだけは写真撮影が許されていました。この金像の大きさは、高さ7m重さ14トンだそうで、金だけで7kg使われたそうです。チンギス・ハーンのお顔をじっくり観察して博物館を出ました。
次の目的地に移動途中の車内から天皇皇后両陛下のお写真がディスプレイされているのを見かけました。チンギス・ハーン博物館もすでに見学に行かれたそうなので、その道すがらこのディスプレイが目に入ったかもしれません。
そして、目的地近くでは小雨がぱらつく中はっきりとした二重の虹を見ることができました。今回の旅行ですでにいくつものラッキーがありましたが、まだ追加があるかもしれません。
次に見学したのは、ボグドハーン宮殿博物館です。館内は撮影禁止なので、正門の写真だけです。
元はモンゴル最後の王、第8代ジェプツンダンバ・ホトクトのボグド・ハーンの「冬の宮殿」であり、数少ないモンゴル宮殿建築だそうです。博物館には多くの仏教美術品が納められていました。
近くの公園では、昔の偉人や抽象的な彫刻などが飾られていました。このような彫刻はウランバートルのあちこちで見かけることができます。
ランチでお腹一杯だったのでディナーはいらないと言いたいところですが、この後のイベントが時間がかかりそうなので少しだけ食べることになりました。最初に来た紅茶は面白いポットに入っていました。上のポットに紅茶が、下のポットにはお湯が入っていて上の紅茶が冷めないように温めてくれています。上下は分離できるので上だけ外してサーブします。少しだけと言いつつ、サラダの他にケーキも頼んでお腹を満たしました。
先ほどの虹を見ながらラッキーが来るかもと思っていましたが、実際にはサラダのオーダーを忘れ去られてえらく待たされました。
本日の最後のイベントはナショナル・スポーツ・スタジアムで行われるナーダム祭のフェスティバルの見学です。このスタジアムで開催されたナーダム祭の開会式やモンゴル相撲のチケットは発売後すぐに完売となって、モンゴル人であるOさんでも入手できませんでした。私たちの希望で何かナーダム祭にかかわりのあるイベントを見たいと要望して手に入れて頂いたのがこのフェスティバルのチケットです。ところが、値段の高い席であるにも関わらず指定された座席はステージの斜め後ろから見る席で、高い値段を払う価値があったかと疑わざるを得ませんでした。
席についてしばらくすると派手な演出もなく演目が始まりました。よく見ると演者は衣装も来ていないようです。しばらく何が何だか分からずに写真やら動画を撮っていましたが、あとからリハーサルを行っていたことが分かりました。客を入れてからリハーサルするなんて、何ともモンゴルらしいではありませんか。
いよいよ本番が始まります。リハーサルの時から大体分かっていましたが、演出は全方向でなく正面観客席に向けて行われています。一部の演者はこちらに顔を向けていますが、大部分は後ろ向きの姿を遠くから、あるいは正面から撮影したテレビのモニターを通して見ることになります。
演者の実力はあると思いましたが、このようなほぼ360度の方向に観客がいることを意識していない演出に対してどんどん不満が溜まっていきます。私はイベントが終わって混雑した中を時間をかけて出るのもいやだし、タクシーが捕まるまで時間がかかるのもいやだし、夜遅くホテルに帰るのもいやなので、かなり強引に途中退出することを提案しました。Qさんは同じチケット代金を払って見ているOさんのことを気にしていましたが、無理やり全員で退出しました。演出がもう少しまともだったらここまで強引なことをしなかっただろうに、私としても残念です。
去年までの演出は評判が良かったようですが、その演出家が今年急遽交代して新しい演出家になったとOさんが説明してくれました。このような事態になることは予想できていたようです。
ひどい混雑や長時間のタクシー待ちも起こらずに問題なくホテルの部屋に戻ってざっとシャワーを浴びてリラックスしていましたが、今日のすべてが終わったわけではありませんでした。夜中になってOさんから緊急メッセージが届きます。明日予約してあったタクシーが優先度の高い顧客の要請でキャンセルになったというのです。代わりのタクシーを探すけど値段が上がってしまうかもしれないけど良いかというものでした。もちろん、値段変更については快諾して至急タクシーを見つけるようにお願いしました。Oさんはその晩のうちにネットで代わりのタクシーを見つけてくれました。本当にOさんは親切でありがたいです。ただの友達の域を超えていると思います。Oさんと知り合う機会に恵まれたことに感謝します。
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