2025年7月モンゴル旅行 (現地ツアー編-2)

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2025年7月8日(火)(3日目)

ゲルの宿泊は初めてでしたが特に何の問題もなくゆっくり一晩過ごすことができました。ちょっと気になることがあるとすると、壁が二重になった布製なので冷たい風は通しませんが人の話し声は結構聞こえてきます。どのくらい遠くで話していたのか分かりませんが、話し声が夜遅くまで聞こえてきました。
朝食は食堂で頂きました。とてもシンプルなものでゲルで宿泊するときにはあまり期待しない方が良さそうです。

 
     澄み切った空がきれいです

朝食後、カラコルム博物館に行くときにも見えていたチベット仏教の僧院であるエルデネ・ゾーを訪れます。この僧院は16世紀末に建立され、モンゴルで最古の寺院だそうです。周囲は420mx420mあり、白い108基の仏塔と外壁で囲まれています。中は博物館になっており、当時の建物と仏像などが展示されています。
社会主義のモンゴル人民共和国時代に宗教活動が制約を受け、寺院内の多くの建物が破壊されたために現存するのは15基のみとなっています。



 

 

 

 

 

 
      ソボルガン塔

 
      ラブラン・ゾー

動画で見渡すとこんな感じです。



次に向かったのは、カラコルムを見下ろす丘の上にあるモニュメントのある場所でした。中央の建造物の意味は分かりませんが、周囲の3枚の壁にはモンゴル帝国の領土の記録が示されていました。
この場所から北東方向にカラコルムの市街地とその奥にあるエルデネ・ゾーを見ることができます。また、丘の反対側にはオルホン渓谷を作ったオルホン川の流れが見れます。放牧されている馬が近づいて来たりして、のんびりと風景を楽しみました。



 
     モニュメントの全景                    パネルごとにモンゴル帝国の領土の推移が分かる

 
                                     領土が最大の時、西は地中海に及び、東は朝鮮半島を含んだ


                      カラコルム市街の向こうにエルデネ・ゾー僧院
 
    カラコルム市街                                 オルホン川
 

動画で見る風景


モニュメントのある丘でたっぷり時間をつぶしてカラコルムに降りてきてランチタイムとなりました。市街地にあるレストランで一人ひとり注文するのですが、今回はスープが追加されたものの結局肉料理はいつもと同じ感じです。

 

カラコルムを出発して帰路につきつつ次の目的地に向かいます。車窓からの風景はあまり変わり映えしません。時折大きく揺れることもありますが、かなり高速です。



カラコルムを出発して約2時間、次の目的地に到着しました。今回のツアーの目玉の一つであるラクダツアーです。フタコブラクダに1名ずつ騎乗して周囲を散歩するというものです。
ラクダは人が乗れるようにお座りをしてくれます。その背には厚手の布を1枚掛けただけでその上に座ります。ガイドの合図でゆっくりと立ち上がりますが、角度を意識してくれているのでしょうか、ほぼ真っすぐに立ち上がってくれました。ラクダの背の位置は地上から1m80pほどあり、結構高いと感じます。先頭のラクダの手綱をガイドが引っ張り、2頭目のラクダは1頭目の乗客が、3頭目のラクダは2頭目の乗客が引っ張って3頭ずつ数珠つなぎで進みます。ラクダは軽く引くだけでおとなしくついてきます。たまに頭を乗客に押し付けてきたりするので、慌てずに優しく押し返してあげるとまた距離を取ってくれます。約15分ほどかけて砂丘の上まで来たところで記念写真撮影を行いました。距離も時間も短いので特にお尻が痛くなることもなく帰ってくることができました。
初ラクダ騎乗の感想としては、馬とは違い足から突き上げてくるショックが大分抑えられているなと思いました。馬とは歩き方が異なるのではないでしょうか。ラクダが昔から長距離の旅によく使われた理由の一つであったのかもしれません。

 
      馬にも騎乗できるようです                      待機中のフタコブラクダ

 
      座るときの前足は180度折れています

 


       今回の現地ツアー6名で記念写真撮影

 
      ここは砂漠地帯になっています


            ラクダの上から見るとこんな感じ

ラクダツアーの後、車で20分程の距離にあるエルデネ・カンバ修道院を訪れました。寺院は下層と上層に分かれています。こじんまりとした寺院は今でも使われることがあるようですが、僧侶の姿を見ることはありませんでした。上層寺院からはモンゴルの草原を見下ろすことができました。

 
        下層の寺院                         下層の寺院内部

 
      山の中腹に上層寺院                              上層の寺院内部

 
      上層寺院から見た風景                          崩壊した昔の寺院

今晩宿泊するキャンプ地は修道院からすぐの所にありました。モンゴル人4人の家族で馬や牛の飼育をメインに行い、旅行者に宿泊場所を提供する副業を営んでいるという感じです。牧場には30頭以上の馬が飼育されていました。母屋となるゲルは昨日泊まったゲルと同じ大きさで周囲にベッドが置かれていて、家族皆で寝泊まりしているのが分かります。電気は来ておらず、ゲルに立てかけてある太陽電池パネルで発電して、室内に設置してあるバッテリーに充電して冷蔵庫の電源に使用したり、衛星テレビを視聴するのに使っていました。
旅行者用ゲルは母屋から少し離れたところに4棟あり、それぞれ4台のベッドが設置されていました。今回私たちのグループ6人で二棟使い、別のグループで二棟使いました。
ツアーのドライバーとガイドにはゲルが与えられずに車中泊だったと翌日話していました。
トイレはゲルから少し離れた草原の真ん中にありました。それは穴を掘ったところに板を渡して、周囲から見えないようにするために周りを板で囲ったものでした。私は、水洗便所になる前に生まれた世代で、驚きはしませんし、普通に使えました。でも、今の若い人はどうなのかなとちょっと思いはしましたが、これも文化を知る一つの体験だと思って許容することを願いました。そういえば、翌日車の中でトイレの話をする人はいませんでした。
モンゴルではお客様に自家製の馬乳酒を提供するという習慣があるそうで、母屋に行ったときに頂きました。アルコール度数は低めで乳臭い感じはせずに少し酸味が感じられました。私は1杯だけで十分という感じでしたが、モンゴル人のガイドは飲み慣れているからなのでしょうか、お代わりをしていました。

 
      牧場                                    母屋の脇に太陽電池パネルと衛星放送用アンテナがある

 
      客用ゲル                                  中央にに黒く見えるのがトイレです

 
   馬乳酒をよそってくれるオーナーの娘さん(衛星テレビの番組)        みんなで馬乳酒をいただきます

本日の5つ目のイベントは乗馬となりました。オーナーが先頭の馬に乗り、3頭の馬の手綱を引いて散歩するというものでした。乗客も手綱を持たせてもらえますが、基本操作はなしです。左下の写真に写っている小山を1周して戻ってくるコースで、30分以上かかりました。ラクダと違って鞍はついているし、ゆっくりと歩くだけなのですが、帰ってくる頃には少しお尻が痛くなっていました。これはラクダと馬の歩き方の違いからきていると思いました。30分も乗っていたので、乗り足りないという気持ちにはなりませんでした。

 
     先行組出発前の様子                          1周して戻ってくる頃には大分リラックスしています

 
     私たちも出発です               ほぼ1周してそろそろキャンプ場が見えてきました


  アルゼンチンで5年前にもQさんと乗馬したのを思い出しました(これだけ慣れていれば一人でも行けそうです)

夕食は骨付きの羊肉を塩だけで煮込んだ地元料理と野菜(じゃがいもと人参)、ライスでした。肉は塩だけで煮込んだとは思えないほど肉のうま味が浸み込んでいて大変美味しかったです。結構な量があると思いましたが、乗客の6名とドライバーとガイドだけで大量にあった肉をほぼ食べきってしまいました。残念ながらオーナー家族は英語を話すのが苦手みたいで、モンゴルの遊牧民に関係するような話を聞くチャンスはありませんでした。

  
このストーブで調理します        煮込み前の羊肉                   煮込んだ後の羊肉

 
     母屋のテーブルでいただきます

食事も終わって20時過ぎに外に出てみると、まだ陽の光が残っています。日没までは少し時間がかかるようです。パノラマと動画で撮影してみました。







さらに21時30分まで待ってみましたが、月が煌々としているうえに雲もあって星見日和とはいきません。23時過ぎには突然の雷鳴と土砂降りがあり、今晩の星見は無理だと考えて寝ることにしました。



ぐっすりと寝たはずですが、夜中の3時半頃に突然目が覚めました。雨音はしていません。何の予感がした訳でもありませんが、ベッドを出て外を見てみると何と満天の星空が広がっているではありませんか。月もすでに沈んでいて、天の川もくっきりと見ることができます。その美しさに見とれている暇はありません。すぐに着替えて、カメラと三脚をバッグの中から出してきます。星空撮影用のヘッドランプも出してきます。暗闇の中で白色LEDが付くと瞳孔が閉じて星が見れなくなってしまいます。今回持ち込んだヘッドランプは目がつぶれないように赤色のLED照明ができる優れモノです。

 
  スマホだと勝手にフラッシュをたくので星空は写せません        小型三脚とRX100M5A

とりあえず天の川が撮影できるかどうか横向きでおおよそ方向を合わせて10秒露光で10枚ほど撮影してみます。何が映っているか確認しませんでしたが、天の川が撮影出来ていることは分かります。

天の川が中央を縦に走ります。中央にわし座のアルタイル、そしてわし座の全体像が収まっています。

RX100M5A、24o、F1.8、ISO6400、10秒露光、11枚合成

天の川が映るのが分かったので、カメラの設置場所を変更、カメラを縦方向に回して、天の川がより長く映るように画角を変更しようと右往左往していると、ここで思わぬ伏兵が舞い込んできました。ここは牧場で野生動物がいないわけではありません。夜の見張り番はオーナーの飼い犬に任せてあります。その飼い犬が何か異変、というよりは夜中に遊んでくれる人間がごそごそと起き出してきたと勘違いしたようです。最初は足を、そして腕を、さらには手を引っ張ったり甘噛みしたりしてきます。嫌がるそぶりをしてもちょっと叩いたくらいでも遊ぶのを止めようとはしません。カメラのシャッターを連射する機能はついていないので、10秒露光するたびに次の撮影を行うためにシャッターを押さなければなりません。また、画角が思った通りになっていないので、さらなる調整もしたいところです。でもずっと絡んでくるので、思うように画角調整もシャッターも切れません。さらには、三脚にぶつかってカメラを倒してしまいます。片手で犬を抑えつつ思ったように星空撮影ができないまま、画角の再調整や撮影をしているうちに空が徐々に明るくなってきました。撮影を始めて約20分後のことでした。
思ったような構図で撮影できなかったことは残念ですが、モンゴルで天の川を撮影できたという事実は残せたので良しとしましょう。完全に陽が昇る前にはベッドに戻って寝たのでした。

構図調整中の撮影で、夏の大三角形がかろうじて映っています。中央にはくちょう座のデネブ、下ぎりぎりにこと座のベガ、左はしにわし座のアルタイルが映っています。

RX100M5A、24o、F1.8、ISO6400、10秒露光、3枚合成

まだ構図調整中で、わし座のアルタイルを少し中央寄りに持ってきましたが、わし座の全体が入り切っていません。

RX100M5A、24o、F1.8、ISO6400、10秒露光、12枚合成

夜が明けてきて空が青くなってきました。

RX100M5A、24o、F1.8、ISO6400、4/5秒露光、4枚合成


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