2005年移動運用(2005/8/11)

No. 年月日 移動先 周波数 モード リグ・アンテナ 局数 備考
1 2005/8/5-7 埼玉県飯能市・比企郡 飯盛峠 3.5-1200MHz CW/FM/SSB IC-736、FT-736M、IC-T81SS
IV (3.5、3.5-7MHz)、730V-1 (7-28MHz)、4ele HB9CV (50MHz)、GP (144-1200MHz)
約300局 フィールドデーコンテスト
2 2005/8/13-15 長野県諏訪郡富士見町 入笠山中腹 3.5-1200MHz CW/FM/SSB IC-736、FT-736M、IC-T81SS
MDRF(3.5-50MHz)、GP(144-1200MHz)
約100局
3 2005/9/3-4 埼玉県さいたま市桜区 荒川河川敷 7MHz SSB IC-736
λ/4 GP(7MHz)
50局 ALL ASIAN DX PHONE

2005年ALL ASIAN DX PHONEコンテスト(2005/9/7)

昨年と同じ移動地でほぼ同じ設備を使って、今度は7MHz用のλ/4のGPを上げました。垂直エレメントに使用した釣竿は正確に言えば8.5mしかありませんので、15%程度短縮した形となっています。ラジアルは、地上高6mに左右2本としました。

このように簡単な設備なので、45分ほどで設置が完了しましたが、周波数を合わせるコツがつかめずに3回も上げ下げを繰り返してしまいました。それでも、最初はSWRのボトムが1.4程度までしか落ちきらずに、諦めてコンテストに突入しましたが、夜中に再チャレンジをしてこつをつかんでボトムで1.1程度まで追い込むことに成功しました。それからあとは、心持応答率がよくなったような気がして調整を頑張ったかいがありました。

2度もアンテナの様子を見に来てくれた、私の移動アンテナの先生であるJK1GKG/井上さんに感謝します。


携帯のデジカメで撮ったので、色合いがいまひとつです。

2005年諏訪郡富士見町移動(2005/9/7)

お盆の休みに友人に誘われて、長野の山にバーベキューに行ったついでに無線をしてきました。
以前試してみたMDRFが移動のときに有効かどうかをチェックしたくなり、アンテナはHFから50MHzまでをMDRF 1本とし、それ以上はフィールドでーコンテストで活躍の場がなかったX-7000の2本体制としました。

アンテナは約2時間で設置でき、AH-4のおかげで無調整でしたので楽でした。


 なかなか美しく設置できました


昨年製作した取り付け具が健在でした

山の上からとは言え、長野からだと6mで東京は無理だと諦めていましたが、DPもどきで結構出来たのでびっくりしました。また、AH-4によりWARCバンドでも気にせずに同調できるところがメリットで、今まで殆ど出たことがないバンドで諏訪郡富士見町をサービスすることが出来ました。逆に、もっと出来ると思っていたローバンドは余り強くなかったようで、MDRFの効率が悪いことを改めて感じてしまいました。効率を考えると、同調形のアンテナと比べて大きく見劣りします。

交信局数の集計は以下のとおりです。カードは全てJARLに発送済みです。

周波数[MHz] 交信局数
3.5 6
7 34
10 8
14 1
18 7
21 11
24 2
28 5
50 44
144 6
430 2
1200 1

2005年フィールドデーコンテスト(2005/8/11)

今年のフィールドデーコンテストは、昨年に引き続き奥武蔵グリーンラインの
埼玉県飯能市・飯盛峠に移動しました。昨年はそれなりに設備を充実させて一挙に得点アップを狙ったのですが、結局電信電話オールバンド部門では10位となり、入賞に至らず不発に終わりました。その結果については、普段から場所探しもしていませんし、アンテナやポールを新規購入するわけでもありませんから、納得せざるを得ません。今年も大幅な改善策は持っていないので、同じ部門では入賞の可能性がありません。あくまでも入賞を狙うという点で、今回は、オールバンドの中でも競争の緩やかなQRP部門に鞍替えして、1975年以来30年ぶりに入賞しようという作戦に出ました。

ところが、今回はトラブルの連続です。

1. 発発(小トラブル)
出発前に車内清掃をするために、掃除機の電源として発発を使いました。ところが、アイドリングが安定しません。数秒間隔で回転数が大きく落ち込んで今にも止まるのではないかという状況です。幸いなことに、回転数が落ち込んでも発電が止まっているわけではなさそうで、このまま積み込むことにしました。ただ、さすがに心配なので、近所のバイク店に持ち込んで見てもらいました。店長さんが発電機は初めて見るなといいながらも、手際よく分解していきます。最初に見つかったのが、エアフィルタの劣化です。腐っているような状態で、ちょっと触るとへこんだままなかなか戻ってきません。空気の流入量と、エアフィルタのかすがキャブレターに入る可能性があります。キャブレターの方は分解してエアで詰まっているごみを取り除いてみます。ここで、全て戻してエンジンをかけてみますが、何も変化ありませんでした。空気の流入量を減らしてみると、回転が安定するので、エアフィルタを交換して空気の流入量がきちんとすれば直るかもしれません。でも、今日はここで諦めて全て戻して、このままで持っていくことにします。8/5(金)18:30に出発です。

2. 渋滞
これは、いつものことなので仕方ありません。バイク店を出てから10分後には環八通りで渋滞にはまっていました。いつもは、青梅街道で所沢経由で飯能に向かうところ、今回は、国道20号線から中央高速で八王子、あきる野から圏央道を通って飯能に向かいました。高速道路が空いていたために遠回りではありますが、22:00に飯盛峠に着きました。

3. アンテナ設営
到着早々、まずはローカルとの連絡用にX-7000を組み立てます。今までは、X-5000を使っていて特に利得が低いという感じはなかったのですが、144MHzや430MHzでのもう一歩飛距離が延びたらという思いを込めて導入しました。今までと違って3本繋ぎなので、ちょっと面倒でバランスも悪くなりました。車で踏んだだけのタイヤベースに10mのアルミポールを伸ばさずにつけただけの上に、X-7000を取り付けます。
早速、知り合いのJA1FWJ局を1200MHzで呼ぶとばっちりつながります。Sメータも9+60dBまで振れて以前よりも気持ち強くなったように思えます。また、CQを出していたJA1ZGP/7を呼ぶと一度で返ってきて59/59+20で繋がりました。アンテナはばっちりのようです。

4. アルミポールのアンテナ設営(大トラブル)
翌日、8/6(土)朝5時に起きだしてきて早速本格的な設営にかかります。朝のうちは、まだ気温も低くて作業もはかどります。
6mの4エレHB9CVを組み立てて、昨日取り付けたX-7000の下に取り付けます。また、今回のために作った3.5MHzのフルサイズのインバーテッドVも4エレのすぐ下にぶら下げます。
タイヤベースの垂直調整機能を使って、綿密に垂直を合わせます。少し傾いただけでアンテナをリフトするための力が全然違ってくるためです。今回も、5段のアルミポールをフルアップして10m高にする積りです。3段目を上げたところで、手順を省略していることに気がつきました。仮にフルアップしてステーの長さ合わせをするのを忘れています。ただ、今日は垂直も取れているし、風も全くないので不安はありません。このまま上げてしまおうと考えました。
いよいよ4段目を上げ始めます。実に快調でするする上がっていきます。・・・・・・・・・!!!(07:00)
一瞬何が起こっているのか理解できませんでしたが、気がつくと4段目がすっぽり抜けてしまっています。あわてて戻そうとしましたが、パイプの中には戻らずに、5段目の上に1cmほど引っかかっています。こうなると、元に戻せません。倒すしかないのです。意識してひっぱたかどうかは定かではありませんが、スローモーションを見ているようにゆっくりと4段のアルミポールは3本のアンテナ共々谷側の杉林ほうに倒れていき、杉の木の上に引っかかって止まりました。もし逆の車のほうに倒れていたら、電線や電話線にぶつかっていたでしょうし、車の上にアルミポールが倒れこんだに違いありません。その他の方向でも4エレやアルミポールに大きな被害が発生していたものと思われます。
アンテナを出来るだけ壊さないように回収するには、アルミポールを真っ直ぐ引き起こす必要があったのですが、途中に取り付けられていたステーを活用して何とか最小限の被害で済みました。


<倒れた直後の状態(アンテナは画面の左側からはみ出しています)>


<何とか引き上げたアンテナの様子>
4エレが一番被害が大きく、エレメントが3本曲がり、エレメントホルダーもゆがんでしまいました。
X-7000はステンレスのラジアルが1本、若干だが曲がってしまいました。

アンテナを回収して、4エレのエレメントを補正、アルミポールの見えにくくなっていたラインも上からマジックでなぞって分かりやすいように修正しました。全てのアンテナを元通り取り付けて再び上げ始めます。ところが、2段目までは出来たものの、3段目すら上げることが出来ません。すでに握力が低下して重いポールを上げる力がありません。(8:30)
仕方ないので、ハイバンドのアンテナの取り付けにかかることにします。

5. 730V-1の設営(中トラブル)
今回は、3.5MHzを強化するために、フルサイズのインバーテッドVを用意しましたから、7MHzは今までのようにデュアルバンドのインバーテッドV(W-735)が使えません。そこで、知り合いから730V-1を借りてきて、こちらで7-28MHzに出ることにしました。前回予備アンテナとして評価の上持ってきたことがあるので、使えると思っていました。さて、730V-1を組み立てて、昨年14-28MHzのRDPを取り付けたのと同じ場所に6mのこいのぼりポールを使って仮設置します。(08:50)
早速、アンテナアナライザ(MFJ-259B)を使って、VSWRの確認をしますが7MHzでは共振点が全く見つからず、14-28MHzでもVSWRが2〜3という結果が出てきました。バランを交換したり、ケーブルを交換してみたりしますが、全く改善の気配がありません。アンテナ自体がおかしいという結論を導き出さざるを得ません。そう言えば、730V-1には容量環が必要だよとオーナーが言っていましたが、その容量環も容量環をつけていた跡さえも見当たりません。そうなんです。エレメントの上の部分を別のトライバンダーの部品を持ってきてしまったのです。これでは、7MHzで同調するはずがありません。
仕方なく、今回もW-735を使って、ハイバンドは予備用に持ってきた14MHzのダイポールだけで我慢することにしましょう。(10:20)

6. 移動地の変更(大トラブル)
730V-1トラブルの対応策を一応考え付いたところで、今回の最大のトラブルがやってきました。
移動用トイレ2基を積んだトラックがゆるりゆるりとやってきて、アンテナ設営をしているすぐそばにつけて停車しました。若い運転手が降りてきて、

運転手:「ここにトイレを設置するように言われてきました」
私:「何ですか?ここに設置するのですか?」
運転手:「明日の奥武蔵ウルトラマラソン大会のために、ちょうどあなたの車の辺りにトイレを設置することになっているのです」
私:「そんなこと言われても、昨夜からこの場所で準備をしていて、動けといっても簡単には出来ませんよ」
運転手:「困りましたね。私としては、ここに設置するように言われてきているのです」
私:「少しずらすことは出来ませんか?」
運転手:「サポート用のテントを張ることになっているから、この付近は全部無理だと思うよ」
私:「・・・・・・」

どんな団体が主催しているか分からないが、交渉に時間をかけていやな思いをしたり、道路の使用許可や役所の人が出てきてもめるのも面倒に思えました。

私:「分かりました。ここから撤去しますから、手伝ってくれませんか?」
運転手:「もう一基設置してこなくてはなりませんし、忙しくて手伝う余裕はありません」

運転手はトラックに乗って、次の設置場所に向かいました。

私は、せっかく再構築し始めたアンテナ群を片付け始めました。この時点で、3.5MHzのシングルバンドに変更することは決めていました。なぜなら、この尾根筋でロケーションの良い場所はすでに他の移動局に取られている可能性が高く、また、すでに昼近くになって大々的にアンテナを上げ直すだけの時間も体力も残っていないと感じたからです。引越し先は、最初にこの尾根筋で波を出した広場に決めました。その場所なら、3.5MHzのフルサイズのインバーテッドVも展開できますし、多少ロケーションが悪くてもVUHFほどの影響がないと考えたからです。

片付けには、1.5時間かかって、12:00に完了しました。例のトラックの運転手は、しばらく前に到着していましたが、何も手伝おうとはしませんでした。

7. アンテナの設営(小トラブル)
数百メートル移動して新しい移動地に到着しました。早速、設営にかかります。シングルバンドですから、給電点は出来るだけ高いほうが良いので、10mの釣竿のうちほぼ半分の5mのところに給電点を取り付けます。アルミポールとはU字ボルトを使って抱き合わせます。握力はまだ完全には回復していませんが、総重量が軽いので、簡単にどんどん上がっていきます。しかし、3段目を上げているときに気が緩んだのでしょうか、ボルトを入れる直前に抑えが緩んで落下を始めました。最後はかなりの速度で落ちてきて止まりました。その際、右手の親指の先がパイプとステーリングの間に食い込んで取れなくなりました。正確に書けば、右手にはめていた軍手が食い込んでしまったのです。やっとのことで抜いたのですが、軍手の指先の部分がきれいに切れてなくなっていました。もし、もう少し深く指先が入っていたらと思うとぞっとしました。
この衝撃で4段目と5段目の間にガムテープが入り込んでしまったために、4段目を引き上げることが出来なくなりました。結局、3.5MHzのインバーテッドVの給電点地上高は13mとなりました。


<指先が切り取られた軍手>

8. インバーテッドVの調整
給電点が設置できたので、今度は、アンテナの調整を行う必要があります。自宅では、おおよその長さでしか、エレメントを作ってこなかったので、相当な調整を必要と思います。

       共振周波数 最低VSWR (MFJ-259B利用)
初期状態: 3.16MHz    1.5
1mカット:  3.31MHz    1.4
1mカット:  3.47MHz    1.3
20cmカット:3.505MHz    1.3
10cmカット:3.530MHz    1.3

結局、4回カットしてベストな周波数特性に調整できました。その後、フルパワーにVSWRメータを使用した測定では、

周波数  VSWR
3.51MHz  1.35
3.53MHz  1.10
3.55MHz  1.20
3.57MHz  1.40

と、短縮タイプのW-735に比べて、ほぼ倍の帯域が取れていることが確認できました。
その他、連絡用のX-5000を仮設して設置完了となりました。(15:00)


<3.5MHzフルサイズ インバーテッドV アンテナ全景>

9. 撤収
8/7の15:00にコンテストが終了して、撤収を開始しました。コンテスト終盤は結構暇なので、小道具をしまったり、コンテストで使わなかった機材を整理していたので、撤収が完了したのは、16:25のことでした。帰る途中で、飯盛峠の様子を写真に撮りました。うまく逃げれば、共存の道もあったかもしれませんでしたが、シングルバンドに集中できたということで良しとしましょう。

 
<マラソン大会の休憩所に使われた飯盛峠> <まさしく車を置いていたところにトイレが設置されています>

●本コンテストの参加記 (2005/10/9追記)

本コンテストの参加記がCQ出版社の方の目に留まり、CQ誌2005年10月号に若干の修正を加えて掲載されました。どちらかというと、トラブルの話が面白かったようですが。

移動運用のページに戻る

トップに戻る