INV-Vアンテナの建て方(2003/4/1)(2003/4/14加筆修正)

●インバーテッドV用竹ざおの交換(2003/4/1)
1999年に設置してから丸4年使い続けてきた竹ざおですが、そろそろ痛みが激しくなってきて、交換することを決意しました。

近所の竹ざお屋で1本950円なりの長さ7.5mの竹ざおを2本購入しました。口元が約5cm、先端が約2.5cmと扱いやすい太さのものを選択しました。
先端部は下の写真の様に、ビニールテープをふたをする様に巻いきました。その下は、一番下までテープ幅分くらい隙間を開けて、ビニールテープを巻いてあります。こうすることにより、竹が割れて極端に強度が下がることを防止しようと言う試みです。前回は、上から途中までしかテープを巻かなかったために、テープが巻いていないところで、大きな割れ目が出来てしまった。もちろん、テープを巻いたところでも割れ目が出来るが、テープで押さえられているせいでろうか、余り大きく広がることはなかったようです。7.5mの竹ざおに対して、ビニールテープが25mほど必要でした。

昔の竹ざおと並べて見ると、色が全然変わっています。ベランダの格子に被服付鉄線で結んでいるが、強度的にはこの位で問題ないようです。



 

エレメントは竹ざおの上部についている滑車を使って持ち上げていますが、私の場合はロープをループになる様に結んで、たとえ手を放しても、ロープが滑車から抜け落ちない様にしています。ただ、今回はいちいち屋根に登らなくともアクセスできるように変更したところ、ループに出来なくなってしまって、仕方なく片持ちに変更しました。万が一手を離しても紐が抜けてしまわないように、エレメントと反対側は竹ざおの途中に縛り付けました。

また、エレメントとロープの結び方は、下記の写真のようになっており、エレメントを直接引っ張るのではなく、そこにからげたIV線を引っ張る様にしています。こうすることにより、ロープの位置を簡単に変更出来たり、エレメント自体に与えるストレスを最小限に押さえる効果があると思っています。この写真を撮ったところで、暗くなってしまい、以後の作業は写真が撮れなくなってしまいました。

使用しているアンテナは、ダイアモンドアンテナ製のW-735(3.5、7MHz 2バンドダイポールアンテナです。定格は1.2kW PEPですが、ベアフット100Wで使用するので耐圧は充分です。全長は、7MHzがフルサイズと言うこともあり、26mとちょっと長目です。我が家の敷地は対角線で20mほどしかないので、両端を折り曲げることになります。

竹ざおを交換すると同時に、今までよりも飛びを少しだけ良くしたいとの思いから、エレメントの引っ張り方を少しだけ変更して、両端の地上高を5mから6.5mに変更しました。ところが、それに伴いアンテナの同調点が大幅にずれる現象を引き起こしてしまいました。現在の長さになるまでかなり短く切り刻んだなと言う思いはありましたが、それは屋根にかなり近づいていたためだったのでしょうか、今度は屋根の影響が取れたせいで、本来のエレメントの長さに戻さなくてはならなくなりました。調整前のVSWRの特性をグラフに示しますが、7MHzでは約100kHz、3.5MHzでは約70kHz同調点が上のほうにずれてしまっています。

エレメントは、滑車に通したロープを上げ下げすることにより、簡単に手元まで下ろしてくることが出来るので、まずは、エレメントを延ばす作業を行いました。同調点は7MHzはローディングコイルのところについている調整用ひげを使い、3.5MHzはエレメント先端の調整用ひげの長さを合わせる事により行います。アンテナのビニール線には3.5スクエアのものが使用されていましたが、手持ちのビニール線は2スクエアだったので、これをずれ周波数からそれぞれ計算して、半田付けでそれぞれ13cm、17cm付け足しました。そして、半田付けしたところから雨水が入り込まない様に、しっかりビニールテープを巻きました。その状態でエレメントを元の状態に戻して測定すると、予定の同調点よりも若干下目にずれていることが分かりました。調整が若干下目にずれると言うのは、最初から折込済みでした。もしも、最初からぴったり狙って同調点がまだ上にある場合、もう一度エレメントを伸ばす必要が出てきますが、この手間は短くするのに比べて面倒です。従って、最初は少し同調点が下目に来るようにしたのである。

このアンテナの取扱説明書によると、エレメントのひげを1cm短くすると、7MHzでは7kHz、3.5MHzでは4kHz同調点が上がると記載されています。(他のアンテナが同じとは限らないので、目安にして欲しい)また、通常は内側のエレメント(W-735では7MHz)を調整し終わってから外側のエレメントを調整するのが正しいが、今回は殆ど同調点があっている状態であったので、7MHzは21kHz分の3cm、3.5MHzは4kHz分の1cm短くしました。その結果、7MHzは予定通り同調点が20kHzほど上がり、7.0MHzから7.1MHzでVSWRが1.2以下となりました。3.5MHzに関しては、7MHzのひげが短くなったことも影響して、10kHz同調点が上がり、3.50MHzから3.54MHzでVSWRが1.5以下となりました。私の場合3.5MHzはコンテストでほぼ全てがCWでの運用となることから、どちらのバンドも全く文句のない性能となりました。もちろん、リグに内蔵してあるアンテナチューナによって補償できる程度のVSWRに収まっているので、実用上は3.5MHzならSSBでも問題ないと思います。

2003/4/6追記
出来あがったアンテナの様子をやっと写真に撮りました。ルーフタワーのトップから0.5mの所に給電点があり、地上高はほぼ13mです。腕木にはやはり竹ざおを使っていて、ルーフタワーのステーもデベグラスワイヤーなので、金属による影響は最小限に留めてあります。両端を支える竹ざおの先端は約10m高で、エレメントはそこからほぼ垂直に3.5mほど真下に引き降ろしています。反対側のエレメントもほぼ同様な形になっているが、この写真では見ることが出来ません。ただ、エレメントの張り方を修正して、以前より屋根に近づかない様にしました。どちらのエレメントの影響がより大きかったか分かりませんが、エレメントをベントしたり屋根との距離が近い場合は、その長さの違いで同調点がずれるのを実感しました。

2003/4/13追記
反対側のエレメントの様子も写真に撮りました。こちらのエレメントの先端の方が若干下がっていますが、左右のバランスはそれほど悪くありません。テレビのアンテナとの距離が1m余りしかない為に、ベアフット100WでもTVI対策はなかなか苦労しています。給電部には付属のバランが入っているだけです。

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